令和7年 桜川河岸のテフラ巡検

名 称:桜川河岸のテフラ巡検(茨城県内のテフラ調査研究委員会)

期 日:令和7年3月23日(日)

場 所:茨城県つくば市上大島(筑真橋)、筑西市有田

講 師:元国土地理院 大井 信三 様

    元地質調査所 小玉 喜三郎 様 

参加者:高教研地学部員10名(講師含む)

行 程:つくばジオミュージアム集合→つくばジオミュージアム見学→つくば市上大島(筑真橋下流)→【昼食】→つくば市上大島(筑真橋上流)→筑西市有田(地蔵橋上流)→筑西市有田(桜川河川敷)→つくばジオミュージアム着→終了・解散

内 容

巡検に先立ち、まず、つくばジオミュージアム内を見学した。昨年7月に、国際地質科学連合(IUGS)が実施するプログラム『IUGS Heritage Stone(天然石材遺産)』に認定された「筑波山塊の花崗岩」の説明を中心に、講師の小玉さんから色々とお話をいただいた。

最初の巡検地である筑真橋下流の露頭では、土浦礫層、下大島層、泥炭層、テフラを中心に観察した。現生の桜川の河川堆積物のマトリックスと土浦礫層のマトリックスの違いから、土浦礫層が古鬼怒川の堆積物であることが確認できた。テフラについては、SKテフラ群(AT含)、Tiテフラ群が確認できた。

2つ目の巡検地である筑真橋上流では、古鬼怒川の離水時期に関する露頭を観察した。土浦礫層の上部には材化石が入っている。また、土浦礫層直上にはTi-1.1テフラが入る様子が見られた。なお、材化石の14C年代は歴年34,841-34,476caiBP(1σ)を示すとのことだった。また、土浦礫層より下位の協和礫層や協和砂層に含まれるKPテフラ(細礫状)が観察できた。

3つ目の巡検地である筑西市有田では、自生の埋もれ木(クリ)を観察した。流木となった巨大な埋もれ木もあり、多くの埋もれ木が観察できた。埋もれ木は下位の礫層(飯田層や小栗礫層)より自生しているが、その礫層を観察することはできなかった。なお、埋もれ木の14C年代は歴年2,995-3,069caiBPを示すとのことだった。

4つ目の巡検地である筑西市押尾では、協和砂層と協和礫層を観察した。2つ目の巡検地である筑真橋上流で観察できたKPテフラ(細礫状)が、ここでも観察できた。

 

令和6年総会巡検

名 称:桜川巡検

期 日:令和6年6月5日(水)13:00~16:30

場 所:桜川沿い(土浦市【小野、小高】、つくば市【北太田、北条、大貫】、筑西市【宮山ほか】)

講 師:大井信三 様(つくば里山研究会)  巡検協力者:小玉喜三郎 様(元地質調査所所長)

参加者:高教研地学部員ほか12名(講師含む)

  行 程:「市立小町の館(土浦市小野)」集合→日枝神社(海浜礫の観察)→土浦市小高(海岸平野の痕跡)→つくば市北太田(桜川低地)→つくば市北条(海岸段丘)→つくば市大貫(桜川観察)→筑西市宮山(協和台地を眺望)→つくば市上菅間(河原の礫観察)→「市立小町の館」終了・解散

内 容

はじめに集合場所「市立小町の館(土浦市小野)」に設置された「山ノ荘ジオサイト」案内板で簡単な説明を受けた。その後、日枝神社の微高地及び海岸の痕跡を示す円礫を観察した。神社から少し離れた場所では露頭を観察することができ、扁平な円礫が地層中に多数見られた。これら堆積相から考察し、末吉海進時(約13万年前)の砂嘴や当時の海岸線の様子をイメージすることができた。

その後、つくば市北条付近の桜川低地へ移動した。現地でその幅の広さ(約2~3㎞)を目の当たりにすると、現在の桜川の規模で形成されたとは考えられないことが容易に理解でき、古鬼怒川と桜川との関係に興味が高まった。また谷中分水界の説明を受け、つくば市北条の谷中分水界を実際に通過し、地形の不思議な側面を再認識できた。なお、この時期の桜川の水位が高い(堰でダム化している)ため、中貫橋(つくば市大貫)でわずかに見られる現生河川堆積物を橋の上から観察し、現生の桜川を確認した。

最後に、宮山ふるさとふれあい公園(筑西市宮山)の高台から協和台地を眺望したのち、禊橋(つくば市上菅間)において桜川の河原でみられる礫の観察、堰や北条用水の歴史概要の説明を受けた。

今回の巡検は大井信三先生(つくば里山研究会)、小玉喜三郎先生(元地質調査所所長)の案内のもと、充実した内容で実施することができた。参加者一同、感謝申し上げます。なお、本巡検では、桜川の水位の関係で基調講演内容のテフラを観察することができなかった。桜川の水位が下がる9月以降、再び大井先生と小玉先生の案内のもと、テフラ巡検をぜひ企画したい。 

日枝神社の微高地(神社の参道)  海岸平野起源の円礫の観察

   日枝神社の微高地(神社の参道)           海岸平野起源の円礫の観察

桜川低地  現生桜川の河川堆積物(中貫橋)

        桜川低地               現生桜川の河川堆積物(中貫橋) 

宮山ふれあいふるさと公園の高台  桜川の河原でみられる礫(禊橋)

   宮山ふれあいふるさと公園の高台         桜川の河原でみられる礫(禊橋)

 

令和4年 地学教材作成研究委員会巡検

目 的:上曽トンネル建設予定地(桜川市真壁町山尾付近)の掘削土仮置き場の岩石を観察し、筑波山周辺の地質や岩石の教材化等を研究・研修する。

期 日:令和4年6月5日(日)9:30~11:30

場 所:茨城県桜川市真壁町山尾(そば処「にしむら」の北側)

参加者:高教研地学部員9名

内 容: 梅雨直前にもかかわらず好天に恵まれ、筑波山周辺地質に関する研修会を実施することができた。4月に事前下見した時よりも、掘削土置き場は大幅に整地された。それでも花崗岩をはじめ多くの岩石や鉱物を観察できた。ここは後々覆土され、最終的には道路となる予定地である。観察可能な期間に研修できた意義は大きい。

今回、現地に居合わせた鉱物愛好家のお二人に、山尾周辺の現状を含め、鉱物について直接ご教授頂くことができた。以下、本研修会で採取できたサンプルである。

・花崗岩  ・ホルンフェルス  ・長石  ・ガーネット(鉄礬柘榴石)

・黒雲母および白雲母  ・リン酸塩鉱物  ・黄鉄鉱  ・輝水鉛鉱

特に輝水鉛鉱は、鉱物愛好家のお二人が筑波山周辺で採取したのは初めてとのことであった。

なお本研修会は、トンネル工事を統括する桜川市建設課のご協力のもと実施した。貴重な機会を提供して頂いたことに感謝申し上げる。

        【現地講習の様子】                【サンプル採取の様子】

  

 

        【採取した輝水鉛鉱】               【ジルコン等の放射性鉱物】